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技術解説・ベンチマーク
ハードウェアやソフトウェアに関する技術解説やベンチマークテスト結果など、テガラならではの生情報を公開していきます。
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車載用マシン後継機 評価検証レポート (1)
(2016/9/1)

長年ご好評をいただいておりました車載用マシンですが、いよいよ部材の供給状況が怪しくなってきたこともあり、後継機の設計・評価を進めております。

現行車載用マシン:車載画像処理システム開発用小型PC

ご要望として特に現行の車載マシンよりも「CPU 性能が高いもの」というものが多く、今回の評価は、主に如何にして小型の車載用シャーシに高性能CPU を載せることができるか、という部分が課題となっております。

今回、用意いたしました評価機はXeon プロセッサの高クロックモデルを搭載可能なボード・筐体です。このモデルで現行品と比較し、どの程度の性能差を出せるか、製品として採用が可能なのかを評価してみました。
 
< 現行品 >
チップセット QM77 シリーズ
CPU Intel Core i7-3555LE 2.5GHz 2C/4T
メモリ 4GB DDR3 SO-DIMM ECC
SSD 128GB SSD S-ATA m-SATA
寸法 幅210x 高さ66x 奥行265 (mm)
電源ユニット 車載用DC-DC 電源(最大消費電力60W)ACC連動対応
OS Windows 7 Professional SP1 64bit
< 後継案 >
チップセット CM236 シリーズ
CPU Intel Xeon E3-1505M 2.80GHz 4C/8T
メモリ 8GB DDR3 SO-DIMM ECC
SSD 250GB SSD S-ATA m-SATA
寸法 幅235x 高さ80x 奥行254 (mm)
電源ユニット 車載用DC-DC 電源(最大消費電力140W)ACC連動対応
OS Windows 7 Professional SP1 64bit
・測定方法、ツール
 
測定結果
1. 現行品ベンチマーク






※各画像 クリックで拡大します

上からCREATIVE、HOME、WORK ベンチを走らせた結果となります。
これを基準として比較します。
2-1. 後継案ベンチマーク
そもそもの話としてベンチマークを取る以前に、排熱が間に合わず、稼働後、数分も経たないうちにCPU温度が80℃を超えてしまう状況に…負荷100%状態では90℃オーバーです(^^;。
この状況を打破するため、グリスの変更やファンの強化も検討しましたが、十分な効果は得られず、ダメ元で最強のCPU グリスとしても有名な「LIQUID Pro (通称リキプロ)」を試用してみました。
2-2. LIQUID Pro 適用


結論から言うと「こうかはばつぐんだ!」です。これまですぐに90℃に到達していたCPU 温度が、100%負荷状態で60~70℃安定状態となりました。
2-3. 後継案ベンチマーク(再)






※各画像 クリックで拡大します

現行品の倍近いスコア (速度)が出ています。これで安定すれば、かなりのアドバンテージが得られそうです。
2-4. 後継案温度推移
15 時間経過後の負荷テスト状況でも温度に問題は見られませんでした。


※クリックで拡大します

2-5. 起動テストとその後
と、ここで問題が発生します。放電後の初回電源投入時にWindows 7 でブルースクリーンが発生してしまいます (再起動後は何事もなく起動し、メイン電源を抜かない限りは発生しない) 。Windows 8.1 やWindows 10 では一見、問題が発生しませんが、OS 側の設定で高速スタートアップを無効にすると同様の問題が見られるため、この辺の起動時の読み込みドライバの問題と思われます。この問題については、ボードメーカーへ確認中です。

もう一点、かなりの冷却性能を発揮したLIQUID Pro ですが、48 時間を目途に定着するということで時間を置き確認してみましたが、固体化することは無く液体のままでした。



結論1 (性能について)
マシン性能について:
性能自体は思惑通りでスコアの伸びがみられ、ここだけみれば合格点。

CPU 温度について:
標準の筐体・クーラーのみではこのクラスのCPU を冷却しきれない。LIQUID Pro は大きな効果があり、試用する事で安定レベルに持っていける (冷却に工夫が必要)。
結論2 (実用・採用について)
初回通電直後、ブルースクリーンが発生するというブートに関する問題が解決していない点と、車載用という性質上、振動はつきものであり、LIQUID Pro (液体金属)を用いての運用はいずれにしても厳しいと判断し、採用は見送りとなりました。性能を上げればそれだけ熱量が上がってしまいますので、どう性能と排熱の折り合いをつけていくかが肝となります。バランスがとれた、安定した製品となるまでは製品化はできません。それまでは後継モデルの検証は継続となります。引き続き情報は公開いたしますのでご期待ください (つづく)。

今回の検証に用いた現行品の車載用PC事例はこちら:
車載画像処理システム開発用小型PC